友人から「オカリナを始めました!」というメールが届きました。元々オカリナの音色が好きだった友人に、家族が初心者向けのオカリナをプレゼントしてくれたのがきっかけで始め、公民館のオカリナ講座を受けたことで一気に上達したのだそう。
インターネットの動画サイトにも投稿していると聞いてビックリ!家族の協力を得て動画を作っていて、今ではチャンネル登録をしてくれる人も徐々に増えているようです。早速、動画を見ると「いつも何度でも(映画「千と千尋の神隠し」のテーマ曲)」や「いい日旅立ち」、「アメイジング・グレイス」などを演奏しています。友人らしい選曲だなあと思いながら、素朴でほっとする音色にうっとり……。
友人の動画を見ているうちに、オカリナに興味が出てきました!オカリナってどのような楽器なのでしょうか?色々調べてみようと思います。
オカリナの歴史
古くは、紀元前3000年のメソポタミア文明や古代中国、古代ギリシャ、南米などに、オカリナの原型といえるような土笛があったといわれています。日本では、山口県下関市の綾羅木郷遺跡(あやらぎごういせき)から、卵型の上部に吹口が付いた「弥生笛」と呼ばれる土笛が発掘されました。古代のオカリナは、儀式や神事などに使われてようですが、オカリナの発祥の地がどこなのかは不明なのだそうです。
現在使われているような形のオカリナが登場したのは、イタリア。イタリアのボローニャ近郊に住むお菓子職人が、西洋音階(ドレミファソラシ)を奏でられる土笛を発案しました。その後、1928年にレル民族楽器研究所が安定した音を出せるオカリナを作り、徐々に楽器として広まっていきました。
オカリナはイタリア語の「Ocarina(オカリーナと発音)」が語源で「ガチョウの子供」を意味しています。確かに、オカリナって鳥の形に見えますよね。
日本でオカリナが広まったのはいつ?
現在もオカリナ製造を続けるメーカー「アケタ・オカリーナ」の創始者である明田川(あけたがわ)孝氏が、1928年(昭和3年)に研究・制作を開始したのが日本のオカリナ制作の歴史の始まり。1948年(昭和23年)に、それまで10穴式だったオカリナを12穴式にした製品を完成・発表します。
その後、テレビ番組などでオカリナが取り上げられる機会が増え、1970年代にはオカリナが大ブームになったこともあるのだそう。現在日本国内には、約40社のオカリナの工房があるのだそうです。
オカリナの種類と選び方
楽器店に行くと、色々なサイズや素材の違うオカリナが販売されています。色のきれいなオカリナも多くて、どれを選べばいいのか迷ってしまいそう。これからオカリナを始めたい時のオカリナ選びは、何を基準にすればいいのでしょうか?
オカリナは、大きさの違いにより音域が異なるのが特徴で、ソプラノ管・アルト管・バス管の3種類があります。その3種類のそれぞれに、G管・F管・C管という調子の違うものが造られています。
初心者におすすめなのは、アルトC管のオカリナ。ハ長調(ドレミファソラシ)の音階で、音域も高すぎず低すぎず、また大きさも手のひらサイズなので持ちやすいのです。初心者でも音が出しやすいのもおすすめのポイントです。
オカリナは、高音域をきれいに出すのが難しい楽器です。管楽器などの経験がない初心者の場合は、少ない息でもすっと音が出るもの、音程が安定したものを選ぶようにしましょう。
陶器製のオカリナは、見た目にも存在感があって音程がしっかりしていますが、落とすと割れてしまうという難点があります。プラスチックのものは、軽くて持ち運びが楽。価格もお手頃なので、初めてオカリナを吹く人にも親しみやすいかもしれません。
オカリナは初心者にもなじみやすい楽器
最初にエピソードを紹介した友人は、最初はドレミファソラシの音をきれいに出すのが難しかったと話していました。(音自体はすぐに出るのですが、きれいな音を出すまでには練習が必要だったみたいです)けれども、他の楽器のように音すら出せないというような難しさはないので、挫折しなかったのだとか。
オカリナは、楽器自体が小さめなので持ち運びしやすいこと、管楽器のように、楽器店に持ち込んでの定期的なメンテナンスをしなくもいいことも気にいっている点だと話してくれました。
オカリナは独学できるの?
オカリナは、独学で始めても楽しめる楽器です。オカリナの持ち方や音の出し方など、基礎となる項目や楽譜の読み方などがくわしく書かれた初心者向けの本がたくさん出版されています。DVD付きの本のほかに、オカリナと教則本がセットになった「初心者セット」などもあります。
おすすめなのは、教則本で独学しながらインターネットの無料動画を参考にすること。オカリナ吹きのよっけさんやオカリナ講師のジャスティンさんなどのプロの方が初心者向けに解説する動画は、わかりやすくておすすめですよ。
独学でも自分で楽しんで吹けるオカリナですが、講座や教室に参加してプロの先生に習うのもおすすめです。音程や音の出し方、低音・高音の出し方コツなどがわかることで上達が早くなるということもあるようです。
オカリナについて色々なことがわかりました。インターネットで検索してみると、少ない息でも音が出やすく指穴が小さくて押さえやすいオカリナ、米粉を使用した樹脂製のオカリナ、音程精度や操作、音色、見た目にもこだわったオカリナなど、ユニークな製品がたくさんあるようです。オカリナがあれば、一人の時間も楽しめそうですよね。