「サルコペニア」と呼ばれる症状を知っていますか?「サルコペニア」は、筋力や身体機能が低下し筋肉が弱くなる状態のことです。加齢にともなって人の筋肉は減少していくといわれていますが、実は30~40代頃から少しづつ減り始めているのだとか。80代になると、健康な状態の人でも30%ほどの筋肉が減少しているのだそうです。
この「サルコペニア」は、高齢者の転倒事故の主な原因にもなっていると考えられています。東京消防庁のデータによると、2015年(平成27年)から2019年(令和元年)の5年間に38万人以上の高齢者が救急搬送されています。そのうち58.8%は入院の必要がない軽症ですが、80%以上が日常生活の中で起こった転倒による怪我だったとのこと。転ぶ場所は、寝室やリビング、玄関、廊下など家の中が多いそうです。
自然な老化としての筋肉の減少は、誰にでもあるものです。けれども、筋肉量や筋力の低下、身体能力の低下は、日常的にこまめに体を動かしたり筋肉を鍛えたりすることで防げることでもあるのです。
大切なのは、日々の積み重ねで筋力をつけること
日常的にウォーキングやジョギング、ストレッチなど運動の習慣がある人は、意識していなくても自然に筋肉を鍛えることができているはずです。また、日常生活でこまめに動くことを意識したり、外出先で積極的に階段を使ったりしている人も同じでしょう。
ほかに、運動を習慣にしたいと思っているけれど、続けることができない、何をしていいのかわからない、事情があって外に出かけるような運動ができないという人もいるかもしれません。それぞれ事情は異なっていても、これから先も健康で自立した生活を送りたいという気持ちは共通しているのではないでしょうか?
自分の健康を気使う人におすすめしたいのが、手軽に購入できるグッズを使ってすきま時間に筋肉を鍛えることです。筋トレと聞くと、重量のあるダンベルをぐぐっと持ち上げるようなイメージがあるかもしれません。けれども、弾力のある小さなボールをぎゅっと握るだけでも筋力は鍛えられます。
手軽に始められる筋トレグッズを紹介していきます。
筋トレグッズはどこで買えるの?
店舗で筋トレグッズを購入する場合は、フィットネス用品やスポーツ用品店、ホームセンター、量販店、ほかには、大手スーパーマーケットのアウトドアウェアやスポーツウェアの一コーナーに置かれていることもあります。
また最近は、100円均一(以下100均)のお店でも多種類の筋トレグッズが販売されています。どれも100均の品物とは思えないつくりで、機能も問題ありません。※一部200~500円の商品もあり。
インターネット通販でも筋トレグッズは豊富に揃います。初心者用の筋トレグッズを見つけたい時は、「初心者 筋トレグッズ 通販」「初心者 筋トレグッズ 女性 通販」などで検索してみてください。
おすすめの筋トレグッズ5選
1.ハンドグリップ
上部に金属バネが搭載されたV字状の筋トレグッズで、握力や指の筋力を鍛えるためのものです。使い方は、持ち手部分を片手でぎゅっと握るだけ。これなら、テレビを見ながらでも気軽に筋トレができます。
おすすめは、100均のハンドグリップ。強度が15kgぐらいですが、実際に握ってみて少し強すぎるなと感じた場合は、次で紹介するボール型ハンドグリップがいいかもしれません。
2.ボール型ハンドグリップ(ハンドグリップボール)
ボール型のハンドグリップは、V字状のハンドグリップに比べると負荷が低めです。球状や卵型のものがあります。手のひらでぎゅっと握って緩める動作を繰り返すことで、握力を強めます。指と指の間にはさんだ状態で、力をぎゅっと入れたり緩めたりするのもおすすめの使い方です。握力と指の関節を鍛えたい人におすすめです。
3.リング型ハンドグリップ
ボール型と同じように負荷が低めです。リングを両手で引っ張ったり指を使って広げたりしながら、指の力を鍛えます。
4.ストレッチバンド(エクササイズバンド)
帯状のゴムでできたストレッチバンドは、両手でつかんでぐっと伸ばすことで筋力がつく筋トレグッスです。慣れてきたら背中にまわして伸ばしたり、端を結んで輪っか状にして伸ばしたりという使い方もできます。
5.ダンベル
おすすめは、100均のダンベル。軽めの500g、1kg、2kgのものが揃うので無理のない範囲で始められるでしょう。椅子に座りながらできるので、テレビを見ながらの「ながら運動」にいいかもしれません。
ダンベルを使った基本の筋トレ法
1.両手にダンベルを持ち、椅子に深く腰かける。
2.肘を90度に曲げた状態で体の横につけるようにし、ダンベルをゆっくりと上げ下げする。
気軽に取り入れられる筋トレグッズを紹介しました。最初は、やりすぎないように様子を見ながら行ってみてください。筋トレをやることで痛みなどが出た場合は、無理せずすぐに中止しましょう。ゴム製の筋トレグッズは、直射日光が当たらない場所で保管することも大切です。
また、筋トレグッズは、紹介した名前とは異なる呼び名がつけられていることもありますので、お店やインターネットで探す時は気をつけてくださいね。毎日少しづつ続けて筋力をつけていきましょう!