私、小学生の時、全く喋らない子どもだったんです。
正確に言うと、友だちと喋ることが全くできなかったです。
普通に友だちと遊ぶし、
授業中先生に当てられると、
ちゃんと答えるのですが、
とにかく友だちに言葉を発するということが無かったんです。
後で自分が医学部の大学院に行ってわかったのですが、
これって、選択制緘黙という、れっきとした精神疾患なんですね。
おそらく、もともととてもおとなしい子で、
「喋らない子」というレッテルを貼られて、
レッテルの方に自分を合わせてしまったのでしょう。
もちろん親には大分心配されました。
それはそうですよね。
6年生になっても、学校で友だちと全く口を聞かなかったのですから。
親には、中学生になったら、喋るようになると言っていました。
何かきっかけが必要だったのでしょう。
そして、中学校、最初の登校日。
誰でも、最初は緊張するでしょうが、
私の場合、今日から喋り始める、という決意があったので、
尚更緊張しました。
そして、同じ小学校から進学した、
あいうえお順で一つ前の席の川野君に話しかけられた時、
思い切って、しゃべったんです。
内容は覚えていませんが、
さすがに驚かれましたねー。
「木下が喋った!」って(笑)。
でも、最初のその緊張した一言から後は、
喋ることは何でもなくなりました。
自分が喋ったら変だ、って自分で決めつけていましたが、
周りの人にとっては、
私が喋ろうが喋らなかろうが、
どうでもいいことだったのでしょうね。
良く言われることですが、
自分が自分のことを気にするほど、
誰も自分のことを気にしていない、
ということでしょう。
こうして精神疾患の子どもは
中学に上がったとたんに、
無事に普通の子どもになった訳です。
そんな私でも、今はちゃんとした大人になりました(そのつもりです笑)。
私は幼児教育施設を運営しているので、
子どものお父さんやお母さんには、
子どもの小さな発達の違いに悩みすぎないようにアドバイスしています。