ステイホームの影響で在宅時間が増えたこの頃。知らないうちに姿勢が悪くなっていませんか? 自宅のソファや椅子で同じ姿勢を続けていると、猫背になりがちです。というのも、人の体は重力の影響で骨盤がうしろに傾きやすく、猫背になりやすい傾向があるためです。
正しい姿勢の目安とは?
壁に背中をつけ、あごを引き軽く胸をはります。後頭部と肩甲骨、お尻、かかとを壁につけます。このとき、腰の後ろに手のひらがぎりぎり入るぐらいが正しい姿勢の目安です。無理をしないと頭や肩が壁につかないという場合は、猫背の傾向があるかもしれません。
猫背の影響
猫背になると前かがみの姿勢になりますが、この姿勢は肺を圧迫するため酸欠と同じような状態になることもあるのだとか。呼吸が浅くなると体のすみずみまで酸素が届きにくくなり代謝や臓器の活動にも影響があることも。
猫背の姿勢のまま筋肉が固まってしまうと、血流が悪くなりむくみの原因になることもあるのだそうです。もちろん、猫背がすぐにこれらの不調につながるわけではありません。前かがみの状態を長く続けることで、知らない間に不調の原因を作ってしまっているかもしれません。
猫背が進行すると円背(えんぱい)になることも
円背(えんぱい)は、脊柱(せきちゅう=背骨)が前に倒れた状態のことをいいます。脊柱のうちの胸椎と呼ばれる胸のあたりにある骨が前に倒れて背中が丸くなる症状です。背中が丸くなると視界がせばまるので自然にあごを上げた状態になります。
円背の症状が出るのは、もとはといえば骨盤が後ろに傾いて猫背のまま脊柱が固まったことが要因。加齢により筋力が低下すると、症状がすすむ傾向があるそうです。円背の症状が強まると、圧迫骨折や誤嚥(ごえん)のリスクも増えるといわれています。
猫背は治せる
猫背は健康上の不調にもつながることがわかりました。きれいな姿勢を保つことは、自分自身も気持ちがいいものですよね。猫背を予防・改善するためのストレッチを紹介します。
バスタオルを使ったストレッチ
1.バスタオルを筒状に丸める。薄手の場合は、2~3枚重ねて丸める。
2.うつ向けになって寝転び、丸めたバスタオルを肩甲骨の下あたりにくるように置く。
3.両手を頭の上に伸ばしバンザイの姿勢になる。無理のない範囲であごをひくとより効果的。この状態で1~2分停止する。
※1日1回を目安におこなう。慣れてきたら、3分、5分と時間を延ばす。
首伸ばしのストレッチ
1.椅子に浅く座りあごを引く。
2.頭頂部が上にひっぱられるようにイメージしながら背筋を伸ばす。5秒程度停止する。
このとき、視線を下に向けないように注意する。
胸を張るストレッチ
1.椅子に浅く座りあごを引く。両手を頭の後ろで組む。
2.肘をうしろに引くイメージで、肩甲骨を脊柱によせるようにしながら胸を張る。5秒程度停止する。
※肩甲骨を脊柱によせるようにするときに、肘に力を入れるのではなく肩甲骨にぐいっと力を入れて動かすようにするのがコツ。肘の力で動かそうとすると効果が半減するので注意する。
背中と肩甲骨のストレッチ
椅子に座った状態で腕を伸ばしたり縮めたりするストレッチ。肩が固まっているなと感じたときにおすすめ。
※1:00あたりからストレッチの方法が紹介されています。
骨盤を動かすストレッチ
猫背の解消には肩甲骨を動かすのが効果的です。座っている時間が長い人は、骨盤を動かすことで筋肉がほぐれ血流も改善されます。上記で紹介したストレッチに加えて、こちらのストレッチもおこなってみてください。
1.椅子に座り真正面を向く。
2.頭を動かさないようにしながら、右のお尻(坐骨)を座面から持ち上げたあとゆっくり下ろす。このとき、右の肘を腰につけるようにすると効果的。
3.左も同様におこなう。交互に10回程度繰り返す。
猫背に効果的なストレッチを紹介しました。無理のない範囲で毎日の習慣にできれば筋肉がやわらかくなり姿勢もよくなっていくと思います。ぜひ続けてみてくださいね!