頭痛や肩こりなど、雨が降ったり台風が近づいたりといった天気の変化で、症状がつらくなることがありますよね。
〝天気痛〟と呼ばれていますが、その原因のひとつに耳に起因するものがあります。ヒトの体はもともと天候が変わると、内耳にある気圧のセンサーが感じ取り、自律神経を通じて体に気圧の変化に備えるように伝えます。しかし、人によっては過敏に反応しすぎることも。すると、片頭痛や肩こり、めまいなどの症状を引き起こしてしまうのです。
気圧センサーの過剰反応は、内耳の血流の低下が自律神経に影響を及ぼすことで生じます。対策としては、専門医の診察を受けるとともに、セルフケアを講じるのはいかがでしょうか。上の図では、くるくる耳マッサージをご紹介しています。耳や耳のまわりをほぐすことで、内耳の血行を促進する効果があります。さらに、内耳のなかにあるリンパ液の流れもよくなり、むくみの予防にもつながります。人によってはすぐ効果が出ない場合もありますが、朝昼晩に試してみてください。
また、時間に余裕があるときは、ホットタオルで耳を温めることもおすすめです。血流がよくなり、リラックス効果もあるので、肌寒い梅雨の時季はもちろん、夏場にエアコンで体が冷えているときにも効果的です。
監修 佐藤 純さん
医学博士。愛知医科大学病院にて日本初の「気象病外来・天気痛外来」を開設した気象病の第一人者。気象と健康に関する著書を多数執筆している