私の母が、時々腰痛に悩まされているようです。痛みがない日と痛いと感じる日が交互にやってくるらしく、緊急性はなさそうなのですが痛みを感じる日はつらそうです。腰痛を予防したり改善できたりする生活習慣やストレッチってあるのでしょうか?調べてみたいと思います。
2種類の腰痛がある
腰痛には、画像診断など医師の診察を受けることで原因が特定できる「特異的腰痛」と、病気が原因ではない「非特異的腰痛(腰痛症ともいう)」の2つの種類があります。非特異的腰痛は、腰への負担が積み重なって起こることが多いといわれています。
痛みの原因がはっきりしている特異的腰痛については、医師の診療を受ける必要がありますが、非特異的腰痛と呼ばれるものについては、日頃の習慣やストレッチなどを取り入れることで、予防や改善できることもあるようです。
腰痛が慢性化しやすい理由
腰痛は、日本人の80%以上が経験したことがあるといわれています。ほとんどの場合は、発症後数週間程度で改善されますが、慢性化したり重度化する人も中にはいます。腰痛を抱えている年代は40~80代が多く、年齢が高くなるにつれて腰痛を抱える人の割合も増えるようです。
私の母の場合は、非特異的腰痛に含まれるのかなと考えているのですが、慢性化の傾向もあるように思います。腰痛が慢性化しやすい理由として、腰の痛くなった部分をかばうように動いてしまうことがあげられています。痛い思いをしたくないと思うばかりに、行動を無意識に制限してしまうそのことによって、お尻や太ももの裏、背骨などの筋肉が固くなってしまい、それが原因となって腰痛が再発しやすくなるという循環になるのだとか。
腰痛を防ぐために日頃から気をつけたいこと
・歩く時は、かかとから着地する
歩く時は、かかとから着地し、つま先で地面をけるようにして進みます。この時前かがみの猫背の姿勢になっていたり、腰を前にそらせるような姿勢になっていると、腰に負担がかかることがあります。壁に背中をつけてみて、腰のあたりにこぶしが1個入るぐらいの姿勢を目安にして、足と腕をまっすぐに伸ばして歩きましょう。靴は、クッション性のあるウォーキングシューズなどで、足がしっかりと固定されるものを選びましょう。
・猫背や前かがみの姿勢を続けない
原因がはっきりしない腰痛は、日常の習慣で腰に負担をかけた時に起こりやすいといわれています。たとえば、猫背や前かがみの姿勢を続けると骨盤が後ろに傾いた状態を続けることになりますが、この状態では背中の筋肉が緊張しやすくなります。
ずっと猫背や前かがみの姿勢を続けることで、「髄核(ずいかく)」と呼ばれる椎間板(ついかんばん)の中心部にあるゼラチン状の組織が外に飛び出し、神経を圧迫して腰が痛くなってしまうのだとか。テレビやスマホなどを見る時に、前かがみになりがちで腰痛があるという人は姿勢を見直してみるといいかもしれません。
・荷物はバランスよく持つ
バッグを手に持ったり肩にかけたりする時は、途中で左右を替えるようにします。どちらか一方で持つと背骨がかたよるため腰痛の原因となる場合があります。重い荷物を運ぶ場合は、リュックや買い物用のカートなどの利用がおすすめ。
バッグのストラップを斜めがけにする場合は、バッグは体の横または後ろ側に回しましょう。前にして持つと背筋が緊張した状態が続くため腰痛にはあまりいいとはいえないそうです。
・からだに合った寝具を使う
柔らかすぎたり硬すぎたりする寝具(ベッド、ふとん)を使い続けていると、腰に負担がかかり腰痛の原因になることがあります。理想的な寝具は、首のうしろや腰のうしろなど、すきまのある部分を支えた状態で、なおかつ腰が沈まない状態になるもの。背骨がS字の自然な状態になる寝具が理想的です。
腰痛予防&改善のための簡単ストレッチ
自宅で簡単にできる腰痛予防&改善のためのストレッチを紹介していきます。ストレッチは、回数をふやせば腰痛が改善されるというものではなく、固くなった筋肉をほぐしながら柔軟性を取り戻し腰痛を起こしにくくするのが目的です。無理をせずにリラックスした状態で行いましょう。
※ストレッチをして痛みが強くなった場合は、無理に続けようとせずすぐに中止してください。フローリングなどの硬い場所では行わないようにしてください。ベッドやふとん、じゅうたん、ヨガマットなどの上がおすすめです。
全身を伸ばすストレッチ
1.ベッドやマットの上に仰向けで寝ます。
2.軽く足を開いた状態で、両腕と両足をバンザイするように伸ばします。そのまま30秒間同じ姿勢を保ちます。
3.ゆっくりと力を抜きます。
※3~5回が目安です。
膝(ひざ)を外側に曲げるストレッチ
1.ベッドやマットの上に仰向けで寝た後、90度ぐらいの角度で膝を立てます。
2.右膝は右側に、左膝は左側に、膝を立てた状態で開いていきます。
3.ゆっくり痛みのない範囲で伸ばし(膝を床につけられる人はつける)、そのまま20秒間保ちます。ゆっくりと元に戻します。
※3~5回が目安です。
膝を胸に近づけるストレッチ
1.ベッドやマットの上に仰向けで寝ます。
2.片方の膝を両手で持ちながら、痛みの出ない範囲でできるだけ胸に近づけます。この時、もう片方の足は伸ばしたままにします。
3.腕以外の力を抜きながら15秒間そのままの姿勢を保ちます。
4.ゆっくりと元の姿勢に戻し、反対側も同じように行います。
※左右3回ずつが目安です。
両膝を曲げるストレッチ
1.ベッドやマットの上に仰向けで寝ます。
2.両方の膝を90度ぐらいの角度で立てます。両方の膝はくっつけた状態で、足裏は床につけておきます。
3.息をゆっくり吐きながら両方の膝を右側に倒します。顔は反対側に向ける(痛みが出ない程度)ようにします。
4.息を吸いながら、顔と膝を元の位置に戻します。
5.左側も同じように行います。
※交互に5回が目安です。
体の側面を伸ばすストレッチ
1.両足を肩幅の広さに広げて立ちます。
2.両腕を頭の上に伸ばし手のひらを重ねます。
3.腕を伸ばした状態で、体を右側に傾けるように伸ばします。この時、体が前や後ろに傾かないように意識します。伸ばした状態で5秒間同じ姿勢を保ちます。
4.いったん元の姿勢に戻り、左側も同じように行います。
※左右3回ずつが目安です。
自宅で簡単にできる腰痛予防&改善のためのストレッチについて紹介しました。リラックスしながら息を止めずに行うのがコツです。できれば毎日継続してみてください。
日常的な注意点にも気をつけながら、腰痛を予防、改善していければいいですね。