江戸時代の初期に日本へ入ってきたといわれている文鳥。現代でも、上品な羽の色と小さな体が愛らしいと人気です。あまり手をかけずに飼うことができるといわれています。
この記事では、文鳥の飼い方について紹介していきます。
文鳥の由来
元々は、インドネシアが原産国です。現在では、インドや中国、ハワイなどに定着しています。江戸時代に日本に持ち込まれた文鳥は、歌川広重(うたがわ ひろしげ)などが描く浮世絵にも描かれています。江戸時代の人達にも愛されていたことがわかりますね。
文鳥はどんな鳥?
文鳥の体は、体調13~15cmで体重は25g前後。手のひらに乗る小さい鳥です。生後3ヶ月で成長になりますが、寿命は平均すると7~8年。長く生きる文鳥の場合は、10年以上生きることもあります。
文鳥は、人懐こく愛情深い鳥だといわれています。毎日世話をしてくれる飼い主を記憶し、名前を呼ぶと「チッ」と答えたり、飼い主の元へ飛んでくるようになります。ただ、誰にでも懐くわけではなく、給餌をして育てた人間を自分の仲間と認識することで懐くといわれているんですよ。
文鳥は基本的に丈夫で規則正しい生活リズムを持っています。毎日の世話として必要なのが、餌やりや放鳥(ケージから出して、部屋の中で自由に遊ばせる)。様子を見てケージの清掃を行うことなどです。世話自体は手間のかからない単純な作業がほとんどで、体力は必要としません。水浴びを欠かさないようにしてあげることで、臭いが気になることもありません。鳴き声も小さいため、マンションなどの集合住宅でも比較的飼いやすい鳥だといえそう。
文鳥の種類
ノーマル文鳥
赤いくちばしと、黒い頭部、胸から背中が灰色の羽毛で包まれたノーマル文鳥。くちばしの色が鮮やかな文鳥は、健康状態が良いとされています。
桜文鳥(さくらぶんちょう)
白文鳥(はくぶんちょう)と野生の並文鳥をかけ合わせて生まれた品種です。赤いくちばしと白い頬、白と灰色がグラデーションになった胸の羽毛が特徴です。桜文鳥の名前の由来は、胸の羽毛が桜のようにきれいなことからついたといわれているんですよ。
白文鳥(はくぶんちょう)
全身が真っ白な羽毛に包まれた白文鳥。赤いくちばしと黒い目、脚以外はすべて純白です。白文鳥は、繁殖時の突然変異に偶然生まれた品種で、明治時代に愛知県弥富市(やとみし)で誕生しました。全身が純白の羽毛でおおわれていることから、大福餅に例えられることもあるのがユニークですよね。
シルバー文鳥
ノーマル文鳥の色を薄くしたような銀色の羽毛を持つシルバー文鳥。遺伝子の一部の色素が失われた状態で生まれることから、羽毛が銀色になるといわれています。個体差により薄めのシルバーから濃い目のシルバーの品種がいます。紫外線には弱いので、長時間の日光浴は避けたい品種です。
シナモン文鳥
全体的に茶色っぽく、スパイスのシナモンのような色をしているのがシナモン文鳥です。オランダで1970年代に生まれた品種で、濃い茶色をした頭部と薄い茶色のグラデーションが特徴です。紫外線には弱いので、長時間の日光浴は避けたい品種です。
文鳥はどこで買える?
文鳥は、鳥を扱うペットショップまたは小鳥専門店で購入できます。購入する時は、きちんと世話をされている状態かどうか、健康状態がいいかどうかを確かめるようにしましょう。とはいえ、初心者の場合は見た目では判断が難しい場合もありますよね。可能であれば管理がしっかりとした小鳥専門店に出向くことをおすすめします。
文鳥を飼うために必要なもの
・鳥かご(ケージ)
鳥かごは、幅30~40cmで高さ35~45cmくらいの「フィンチ、文鳥、セキセイインコなどの飼育用」として販売されているものが適切です。掃除のしやすさを考慮した上で、好みのデザインを選ぶといいでしょう。
・止まり木
様々な素材の止まり木が販売されていますが、おすすめは木製のもの。文鳥の脚で掴みやすい1.2cmがいいでしょう。汚れた場合は、歯ブラシなどを使って磨くときれいになります。
・餌
文鳥の餌は、混合シード(穀物をブレンドしたもの)と、ペレット(栄養バランスを考えたもの)の2種類。混合シードは野生の環境での餌に近いため、この餌を好む文鳥が多いようです。栄養面の不足を補うために、小松菜やチンゲン菜を一緒に与えます。また、カルシウムを補うための牡蠣の殻からできたボレー粉も必要です。ペレットは、やや人工的なため、文鳥が好まないこともあるそうです。
・餌入れ・水入れ
ほとんどの場合は、鳥かご(ケージ)に付属しています。
・水浴び用の容器
文鳥は、水浴びをしながら体の汚れや寄生虫などを落とします。1日に数回の水浴びを行うことは文鳥にとってはストレスの解消にもなるのだそう。飲み水とは別に水浴び用の容器を用意します。
・ヒーター
文鳥を飼う時に気をつけたいのが、飼育環境の温度です。22〜25℃が適温です。文鳥は、体温が42度前後ありますが、少しでも体温が下がると体調が悪くなることがあるのです。22℃を下回る時は、ヒーターを使って暖かさを保つ必要があります。文鳥専用のヒーターもあるので、比較的寒い地域で飼う場合は配慮してみてください。
参考図書
初心者が文鳥を飼う時は、本や専門的なサイトを参考にして、文鳥に関する基礎知識を得るようにしましょう。おすすは以下の2冊です。「幸せな文鳥の育て方」大泉書店、「楽しい文鳥生活のはじめ方」ナツメ社。初心者向けなので、わかりやすいですよ。
文鳥について紹介しました。日々の健康状態をまめに気をつけながら世話を続ければ、家族のような大切な存在になるかもしれません。