大仏といえば、奈良の大仏や鎌倉の大仏が有名ですが、ほかにも日本各地には魅力的な大仏がたくさん。この記事では、一度は見ておきたい大仏を紹介していきます。
大仏とは?
仏像は、基本的に一丈六尺(いちじょうろくしゃく=約4.85m)を基準に造られています。これよりも大きくする場合は、一丈六尺の整数倍(例:約4.85mを2倍、3倍などの倍率にする)、小さくする場合は、整数分の一(約4.85mの1/2や1/3)で造られます。このうち、一丈六尺よりも多い仏像を大仏と呼びます。
一度は見ておきたいおすすめの大仏像7選
1. 北海道札幌市・佛願寺(ぶつがんじ)「札幌涅槃大仏」
「札幌涅槃(ねはん)大仏」は、身の丈が45mの日本一大きい大仏です。池や滝、三尊石(さんぞんせき)と呼ばれる石が配置された日本庭園の中に横たわっています。金色に輝く札幌涅槃大仏はその美しさが評判ですが、まずはその大きさに驚くかもしれません。
舎利山 佛願寺大涅槃聖堂
https://www.butsuganji.jp/index.html
※佛願寺参拝堂では、写経・写仏体験ができます。(有料)
2.青森県青森市・青龍寺「昭和大仏」
青銅座像としては日本一大きい「昭和大仏」。大きさは21.35m、重さ220t、両膝の幅が15mの大仏です。1984年(昭和59年)に、世界平和や戦没者の慰霊を願って建立されました。山々に囲まれた自然豊かな環境にたたずむ姿は、端正で美しいと評判です。
昭和大仏は胎内めぐりが可能。1階の順路には地獄極楽絵図の展示や自分の干支にちなんだ仏像をお詣りできる「十二支一代守り本尊」が祀られています。2階には戦没者慰霊の碑も。
青龍寺
3.茨城県牛久市・浄土真宗東本願寺派本山東本願寺「牛久(うしく)大仏」1992年(平成4年)に完成した「牛久(うしく)大仏」。高さが100m、台座が20mの青銅製大仏立像です。
大仏の胎内は5層に分かれています。エレベーターで上がれる高さ85mの展望台からは、天気が良ければスカイツリーや富士山が見えることも! 77席の席が用意された写経空間では、写経体験が可能です(観覧券とは別途料金が必要)。ほかには、仏舎利(釈尊のご遺骨)が安置された部屋や金色の体内仏が約3,400体安置された部屋なども用意されています。
園内にはうさぎや山羊がいる小動物公園、季節になると桜やコスモスや満開になる約2万平方mの花畑、仲見世、食事処などもあり、ゆっくりと過ごせます。
浄土真宗東本願寺派本山東本願寺
4.神奈川県鎌倉市・高徳院「鎌倉大仏」
テレビやガイドブックなどでもおなじみの国宝「鎌倉大仏」。 台座を含めると高さ13.35m、重さは121tです。
1252年(建長4年)に鋳造が開始された鎌倉大仏。中は空洞になっており、実際に手で触れることが可能(内部のみ)。通常、国宝に手で触れることは許可されないことが多いですが、こちらでは、手で触れて理解や信心を深めてほしいという住職のはからいにより認められています。
高徳院
※2021年5月現在は、コロナ感染対策として胎内の観覧は中止になっています。
5.岐阜県岐阜市・黄檗宗 金鳳山正法寺(おうばくしゅうきんぽうざんしょうほうじ)「岐阜大仏」
江戸時代後期に約38年の年月をかけて建立された高さ13.7mの「岐阜大仏」。1832年(天保3)年に開眼供養がおこなわれたとされています。
こちらの大仏は、別名「籠(かご)大仏」とも呼ばれています。このように呼ばれる理由は、その製造工程に由来します。基本となる骨格を木材で組んだあと竹を使って外形を造り、その上から粘土を塗り固めます。粘土の上に一切経や阿弥陀経などのお経の紙を貼り付けたのちに漆を塗り、その上にさらに金箔を張るという造りなのです。
黄檗宗 金鳳山正法寺
https://www.gifu-daibutsu.com/
6.奈良県奈良市・華厳宗(けごんしゅう)大本山 東大寺「奈良の大仏」
高さ14.98mの「奈良の大仏」。大仏と聞けば、この大仏を思い浮かべるという人も多いのでは? 金銅仏としては世界最大の大きさを誇りますが、開眼法会がおこなわれたのは天平勝宝4年(752年)。古い歴史を持つ大仏なのです。
華厳宗大本山 東大寺
※東大寺公式サイトでは、奈良在住の映画監督河瀬直美さん撮影の行事の映像を順次公開しています。
東大寺公式チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCGTPllJKmWYh9fQnLwUmn5Q/videos
7.福岡県篠栗町・南蔵院(なんぞういん)「釈迦涅槃像(しゃかねはんぞう)」
全長41m、高さ11m、重さ300tの「釈迦涅槃像」。名前の通り横たわる青銅製の大仏で、1995年(平成7年)に建立されました。
参拝者は、「仏足(ぶっそく、釈迦の足跡を石に刻んだもの)」と呼ばれる足の裏を触ることができるほか、胎内の拝観も可能。山を背景に横たわる姿は迫力がありますが、表情を見るとちょっと横になって休憩しているようなのどかな雰囲気も。釈迦涅槃像以外にも、たくさんの見どころがあるお寺です。
南蔵院
一度は見ておきたいおすすめの大仏7選を紹介しました。大仏は、それぞれに表情や姿が違うほか、材質にも特徴があります。大仏像がある場所は自然豊かな場所も多いので、ぜひ機会を作って訪ねてみてくださいね。